二十四節気とは 2019カレンダー 読み方 覚え方 七十二候 雑節 一覧

テレビで天気予報を見ていると、お天気お姉さんが「今日は二十四節気(にじゅうしせっき)の『清明』ですね~」などと季節を漢字二文字で紹介する場面がありますよね。
その時季の地域の伝統行事が紹介されたりして、忙しい日常の中では気付かなかった季節の移ろいをあらためて感じたりするものです。

二十四節気とは

二十四節気は、今でも立春、春分、夏至など、季節を表す言葉として用いられています。1年を春夏秋冬の4つの季節に分け、さらにそれぞれを6つに分けたもので、ほぼ15日間隔です。
「節気」じゃなくて「節季」じゃないの?と思われる方もいらっしゃるでしょうが「節気」が正解です。
二十四節気はとくに誰かが発明したわけではなく、中国で古代から段階的に定められるようになり日本にも伝わった歴史の産物です。現在日本では地球と太陽の位置関係で決められ(国立天文台が発表しています)、年によって1日程度前後します。

その成り立ちをごく簡単に説明すると、

昼間が一番長い「夏至」と、昼間が一番短い「冬至」で1年を2等分(これを『二至』と呼ぶ)

さらに昼と夜の長さが等しい「春分」と「秋分」で4等分(これを『二分』と呼ぶ)

上のそれぞれ中間に「立春」「立夏」「立秋」「立冬」の『四立(しりゅう)』を入れて、合わせて『八節』とする。

一節は45日なのでこれを15日ずつに3等分し『二十四節気』とする。
(さらに5日ずつに3等分し、時候を表したものが「七十二候」です。「雑節」とあわせて最後でご紹介しています)

ちなみに上図の、季節の境目(4カ所)が「節分」です。…だったんですが、現在は冬と春の境目の節分だけが「豆まき」=『節分』として残っていますが、他の節分はすっかり忘れられていますね。

二十四節気は「特定の日」ではなく「期間」

「夏至」「冬至」「春分」「秋分」の『二至』『二分』は昼と夜の長さで決まるので「特定の1日」として紹介される向きがありますが、二十四節気は15日間の「期間」と考える方が、成り立ちとしても自然現象としても素直です。
つまり365日のうちの24日が二十四節気に該当するのではなく、一年間のすべての日が二十四節気のいずれかに分けられる、という捉え方です。
会話としても「今日は『大暑』ですね」と言うより「今日から『大暑』ですね」「今は『大暑』の頃ですね」の方がより自然でしょう。

二十四節気2020 と読み方

令和2年の二十四節気一覧と読み方、その意味です。
2020年1月6日(月)が小寒、1月20日(月)が大寒ですが、この2つは2019年扱いです。

二十四節気の覚え方

二十四節気を順番通りに覚えるのは、ちょっと難しいですよね。なんせ24個あるんですから。どうやって覚えましょうか?いきなり全部を覚えずに、覚えやすい所から覚えてゆく方法をご紹介しましょう。

1.まず『八節』を覚える。

『八節』とは、冒頭部でも書きましたが『二至』=夏至・冬至 『二分』=春分・秋分 『四立』=立春・立夏・立秋・立冬 を合わせたもので、全部に春夏秋冬の漢字が入っているので覚えられると思います。
ただし『最初は立春』という事は同時に覚えましょう。

2.『大・小』が付く6つの節気を覚える。

二十四節気の中に「大・小」の字が付く節気が6つもあります。順番に並べると「小暑」「大暑」「小雪」「大雪」「小寒」「大寒」で、文字から分かるように「小暑」「大暑」の二つは「夏」で、「小雪」「大雪」「小寒」「大寒」はもちろん「冬」です。

「小暑」「大暑」は、いかにも暑い盛りって感じですよね。お察しの通り、昼が一番長い「夏至」の後ろに続く節気です。覚えましたか?
「小雪」「大雪」「小寒」「大寒」が全部冬なら、最初に覚えた『八節』の中の「立冬」の後ろに「小雪」「大雪」を並べ、「冬至」の後ろに「小寒」「大寒」を並べたら、冬の6節気が全部覚えられます。

3.残りの10節気を語呂合わせで覚える。

まず「雨水」「啓蟄」「清明」「穀雨」です。これは3連ネガティブワードに読み替えます。→『薄い・ケチ・せこく』うう~ん、ネガティブ。でもこれは
『雨水(うすい)、啓蟄(ケチ)、清明(せ)、穀雨(こく)』ですよ。

残り6つは「小満」「芒種」「処暑」「白露」「寒露」「霜降」ですね。
これは『消防署は乾燥』で覚えましょう。
『消(小満) 防(芒種) 署(処暑) は(白露) 乾(寒露) 燥(霜降)』ですよ。
これを、すでに覚えた14個の節気の間に入れたら、暗記完了~!

二十四節気と旬の食材

便利だけど「旬」というものがすっかり分からなくなった現代社会。たまには季節を、そして「旬」を意識してみるのはどうでしょう。二十四節気ごとの旬の食材をご紹介しますので、検索サイトにコピペしてレシピを探してみてはいかがでしょうか?

ふきのとうの天ぷら

1.立春(2月4日頃):

さやえんどう ふきのとう 長ネギ ごぼう れんこん

2.雨水(2月19日頃):

はまぐり わかめ 春キャベツ 菜の花

3.啓蟄(3月6日頃):

鰆(さわら) ぜんまい わらび 新玉ねぎ かぶ

鰆(さわら)

4.春分(3月21日頃):

桜えび 明日葉(あしたば) 真鯛 ほたて ふき

5.清明(4月5日頃):

グリーンピース たけのこ 新じゃが タラの芽 かつお

6.穀雨(4月20日頃):

ホタルイカ クレソン 新ごぼう こごみ

たけのこの煮物

7.立夏(5月6日頃):

長芋 鯵(あじ) 春ニンジン アスパラガス にら

8.小満(5月21日頃):

イサキ もずく そら豆 にんにく

9.芒種(6月6日頃):

鮎(あゆ) みょうが オクラ トマト

イサキのアクアパッツァ

10.夏至(6月22日頃):

米なす 新しょうが(葉しょうが) いんげん豆 ズッキーニ

11. 小暑(7月7日頃):

きゅうり 冬瓜 ピーマン 枝豆 モロヘイヤ らっきょう

12.大暑(7月23日頃):

うなぎ タコ 夏野菜(かぼちゃ ピーマン いんげん豆 トウモロコシ トマト ナス オクラ にら きゅうり…)

夏野菜の揚げびたし

13.立秋(8月7日頃):

ゴーヤ トウモロコシ じゅんさい ナス

14.処暑(8月23日頃):

枝豆 トマト オクラ かぼちゃ つるむらさき パプリカ

15.白露(9月8日頃):

ししとう いちじく さつまいも サンマ キノコ類

いちじく

16.秋分(9月23日頃):

里芋 鮭 さつまいも 松茸

17.寒露(10月8日頃):

栗 まいたけ サバ 人参 しいたけ

18.霜降(10月23日頃):

チンゲン菜 かぶ ししゃも リンゴ れんこん

秋と言えば栗!

19.立冬(11月7日頃):

長ネギ ごぼう 牡蠣 白菜 えのきたけ エリンギ

20.小雪(11月22日頃):

春菊 鱈(タラ) レタス むかご 野沢菜

21.大雪(12月7日頃):

水菜 ブリ 大根 キャベツ ほうれん草 小松菜 ゆり根

ほうれん草

22.冬至(12月22日頃):

かぼちゃ 金柑 れんこん カリフラワー 金時にんじん

23.小寒(1月5日頃):

大根 せり ブロッコリー くわい

24.大寒(1月20日頃):

金目鯛 冬野菜(白菜 大根 かぶ 長ネギ ほうれん草 カリフラワー 春菊…)

冬野菜のシチュー

『七十二候』と『雑節』

二十四節気をさらに約5日ずつの3つに分けた期間のことを『七十二候』といいます。その名称は、気象の動きや動植物の変化を知らせる短文になっています。

二十四節気 七十二候 意味
立春 2月4日~ 18日頃 東風解凍(こちこおりをとく) 東風が厚い氷を解かし始める
黄鶯睍睆(うぐいすなく) 鶯が山里で鳴き始める
魚上氷(うおこおりをいずる) 割れた氷の間から魚が飛び出る
雨水 2月19日~ 3月5日頃 土脉潤起(つちのしょううるおいおこる) 雨が降って土が湿り気を含む
霞始靆(かすみはじめてたなびく) 霞がたなびき始める
草木萌動(そうもくめばえいずる) 草木が芽吹き始める
啓蟄 3月6日~20日頃 蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく) 冬籠りの虫が出て来る
桃始笑(ももはじめてさく) 桃の花が咲き始める
菜虫化蝶(なむしちょうとなる) 青虫が羽化して紋白蝶になる
春分 3月21日~ 4月4日頃 雀始巣(すずめはじめてすくう) 雀が巣を構え始める
桜始開(さくらはじめてひらく) 桜の花が咲き始める
雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす) 遠くで雷の音がし始める
清明 4月5日~19日頃 玄鳥至(つばめきたる) 燕が南からやって来る
鴻雁北(こうがんきたへかえる) 雁が北へ渡って行く
虹始見(にじはじめてあらわる) 雨の後に虹が出始める
穀雨 4月20日~5月4日頃 葭始生(あしはじめてしょうず) 葦が芽を吹き始める
霜止出苗(しもやんでなえいづる) 霜が終り稲の苗が生長する
牡丹華(ぼたんはなさく) 牡丹の花が咲く
立夏 5月5日~20日頃 蛙始鳴(かわずはじめてなく) 蛙が鳴き始める
蚯蚓出(みみずいづる) 蚯蚓が地上に這出る
竹笋生(たけのこしょうず) 筍が生えて来る
小満 5月21日~6月5日頃 蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ) 蚕が桑を盛んに食べ始める
紅花栄(べにばなさかう) 紅花が盛んに咲く
麦秋至(むぎのときいたる) 麦が熟し麦秋となる
芒種 6月6日~20日頃 螳螂生(かまきりしょうず) 螳螂が生まれ出る
腐草為蛍(くされたるくさほたるとなる) 腐った草が蒸れ蛍になる
梅子黄(うめのみきばむ) 梅の実が黄ばんで熟す
夏至 6月21日~7月6日頃 乃東枯(なつかれくさかるる) 夏枯草が枯れる
菖蒲華(あやめはなさく) あやめの花が咲く
半夏生(はんげしょうず) 烏柄杓が生える
小暑 7月7日~22日頃 温風至(あつかぜいたる) 暖い風が吹いて来る
蓮始開(はすはじめてひらく) 蓮の花が開き始める
鷹乃学習(たかすなわちわざをなす) 鷹の幼鳥が飛ぶことを覚える
大暑 7月23日~8月6日頃 桐始結花(きりはじめてはなをむすぶ) 桐の実が生り始める
土潤溽暑(つちうるおうてむしあつし) 土が湿って蒸暑くなる
大雨時行(たいうときどきにふる) 時として大雨が降る
立秋 8月7日~22日頃 涼風至(すづかぜいたる) 涼しい風が立ち始める
寒蝉鳴(ひぐらしなく) 蜩が鳴き始める
蒙霧升降(ふかききりまとう) 深い霧が立ち込める
処暑 8月23日~9月7日頃 綿柎開(わたのはなしべひらく) 綿を包む萼(がく)が開く
天地始粛(てんちはじめてさむし) ようやく暑さが鎮まる
禾乃登(こくものすなわちみのる) 稲が実る
白露 9月8日~22日頃 草露白(くさのつゆしろし) 草に降りた露が白く光る
鶺鴒鳴(せきれいなく) 鶺鴒(せきれい)が鳴き始める
玄鳥去(つばめさる) 燕が南へ帰って行く
秋分 9月23日~10月7日頃 雷乃収声(かみなりすなわちこえをおさむ) 雷が鳴り響かなくなる
蟄虫坏戸(むしかくれてとをふさぐ) 虫が土中に掘った穴をふさぐ
水始涸(みずはじめてかる) 田畑の水を干し始める
寒露 10月8日~22日頃 鴻雁来(こうがんきたる) 雁が飛来し始める
菊花開(きくのはなひらく) 菊の花が咲く
蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり) 蟋蟀が戸の辺りで鳴く
霜降 10月23日~11月6日頃 霜始降(しもはじめてふる) 霜が降り始める
霎時施(こさめときどきふる) 小雨がしとしと降る
楓蔦黄(もみじつたきばむ) もみじや蔦が黄葉する
立冬 11月7日~21日頃 山茶始開(つばきはじめてひらく) 山茶花が咲き始める
地始凍(ちはじめてこおる) 大地が凍り始める
金盞香(きんせんかさく) 水仙の花が咲く
小雪 11月22日~12月6日頃 虹蔵不見(にじかくれてみえず) 虹を見かけなくなる
朔風払葉(きたかぜこのはをはらう) 北風が木の葉を払い除ける
橘始黄(たちばなはじめてきばむ) 橘の実が黄色くなり始める
大雪 12月7日~21日頃 閉塞成冬(そらさむくふゆとなる) 天地の気が塞がって冬となる
熊蟄穴(くまあなにこもる) 熊が冬眠のために穴に隠れる
鱖魚群(さけのうおむらがる) 鮭が群がり川を上る
冬至 12月22日~1月4日頃 乃東生(なつかれくさしょうず) 夏枯草が芽を出す
麋角解(おおしかのつのおつる) 大鹿が角を落とす
雪下出麦(ゆきわたりてむぎいづる) 雪の下で麦が芽を出す
小寒 1月5日~19日頃 芹乃栄(せりすなわちさかう) 芹がよく生育する
水泉動(しみずあたたかをふくむ) 地中で凍った泉が動き始める
雉始雊(きじはじめてなく) 雄の雉が鳴き始める
大寒 1月20日~2月3日頃 款冬華(ふきのはなさく) 蕗の薹(ふきのとう)が蕾を出す
水沢腹堅(さわみずこおりつめる) 沢に氷が厚く張りつめる
鶏始乳(にわとりはじめてとやにつく) 鶏が卵を産み始める

また、二十四節気と同様に季節の移り変わりの目安となるものに『雑節』(ざっせつ)と呼ばれるものがあり、今でも行事などが行われています。

雑節 解 説
社日 (しゃにち) 春分、秋分に最も近い戊(つちのえ)の日で、1年に2回ある。 春には豊年を祈り、秋には成熟を祝う行事をそれぞれ行う。
節分 (せつぶん) 元は四季にあったが、後に春だけについていわれるようになった。 立春の前日のことで、邪気を払う行事がなされる。
彼岸 (ひがん) 春分と秋分の前後の3日ずつの計7日のこと。初日を彼岸の入り、 当日を中日(ちゅうにち)、終日を明けと呼ぶ。
土用 (どよう) 立春、立夏、立秋、立冬の前18日間。この期間は、土公神(どくじん)が 支配するといわれ、土を犯すことは忌むべきこととされた。
八十八夜 (はちじゅうはちや) 立春から数えて88日目をいい、種まきの目安の日。
入梅 (にゅうばい) 二十四節気のうち、芒種の後の壬(みずのえ)の日。 梅雨はそれから31日間とされる。
半夏生 (はんげしょう) 天より毒気を下す日という。夏至より10日後とされる。
二百十日 (にひゃくとおか) 立春から数えて210日目の日。必ず暴風雨があるとされる。
二百ニ十日 (にひゃくはつか) 立春から数えて220日目の日。二百十日と同じ意味を持つ。

いかがだったでしょうか?四季の移ろいさえ日常の中に埋没しがちな毎日。実に二十四もの(さらには七十二の)季節の変化を敏感に感じ取っていた先人のまなざしを思い出せたでしょうか?