名言 格言 ことわざ 慣用句 それぞれの違いと特徴 図解します

名言・格言・ことわざ・慣用句の違い、説明できますか~?

名言・格言・ことわざ・慣用句にはそれぞれ違い、特徴はありますが、明確な境界線はありません!
それは音楽のジャンル分けと同じです。歌謡曲・演歌・J-POP・フォーク・ロック・R&B…それぞれ特徴はあるし、典型的な曲もあるけど、歌謡曲っぽいロックとか、フォークっぽい演歌とか、はっきり分けられない曲もありますよね。

名言とは

「名言とは」ってあらためて言うこともないと思いますが、他との違いを明らかにするため、まず4つの中で一番広い概念である「名言」について。
辞書的には「すぐれた言葉」「事柄の本質をうまくとらえた言葉」などされていますね。

つまり、自分が(または誰かが)「うまいこと言うな~!」と思えば、それはもう「名言」です。ですから名言は大昔から、そして今も、日々新しく生まれては忘れられて消えているわけで、その数は無限ということです。
年末恒例の「流行語大賞」なんて、言い換えれば「今年の名言大賞」ってことですよね。けど昨年の流行語なんて誰も覚えていません。

星の数ほどある名言の中から、時を経ても消えることなく語り継がれて現代にまで残り、浸透・定着したもの、言うなれば「歴史的な名言」「超有名な名言」が格言・ことわざ・慣用句ということです。

ちなみに  「半額商品は二つ買え!」

これは私的な名言です。

では、ここでまず概念図を。

いかがでしょう?要するに
1. 格言・ことわざ・慣用句はすべて名言に含まれる。
2. 格言とことわざは互いにオーバーラップしている。
3. ことわざと慣用句は互いにオーバーラップしている。
4. 格言と慣用句はオーバーラップしていない。

では、解説しましょう

格言とは

まず辞書的には、「人生の真実や機微を述べ、万人への戒め・教訓となるような簡潔にした言葉」などとされていますね。

いくつかの辞書をめくり、私なりにまとめると「人生の本質・真髄を述べ、万人への戒め・教訓・処世訓となるような簡潔な短文」と言えるでしょう。
注目すべきは『万人への』という部分だと思います。つまり「誰にとっても指針・参考となる」短文なんです。

そして格言は、このあと解説する「ことわざ」とオーバーラップしていますが、格言には「古さ」は必要ありません。今日、新しい格言が生まれる可能性もあるのです。

典型的格言の例

下を向いていたら、虹を見つけることは出来ないよ。
byチャップリン

明日死ぬかのように生きよ。永遠に生きるかのように学べ。
byガンジー

いかがでしょう?100%とは言いませんが、ほぼ万人に響く短文ですよね。この言葉を否定するのはよほどひねくれた人でしょう。
「名言集」「格言集」を銘打っているサイトをのぞいてみてください。名言と格言を区別していないサイトがほとんどですし、読む側もそれを不自然とは感じませんからそれでいいと思います。
ただ、名言よりは格言の方が「格が上」で、名言か格言の区別は「万人向け」かどうかであり、その判断は個人に任せても良いという事でしょう。

ことわざとは

まず辞書的には、「古くから言い伝えられてきた、教訓または風刺の意味を含んだ短い言葉。生活体験からきた社会常識を示すものが多い。」「鋭い風刺や教訓・知識などを含んだ、世代から世代へと言い伝えられてきた簡潔な言葉のこと」などとあります。

いくつか辞書をめくり、私なりにまとめると「古くから言い伝えられてきた、世の中の常識や知識、教訓や戒め、また風刺や皮肉など、様々な示唆を含んだ短文」となります。
カタカナを使うと、「先人からのアドバイス、サジェスチョンが含まれている短文」ですかね。格言と違って「万人」向けではありません。人によって「納得!」と思う人もいれば「私は違うな~」って言う人もいる。けど多くの人が「あるある~」「だよね~」って感じる短文です。

典型的なことわざ

石の上にも三年

猿(さる)も木から落ちる

能ある鷹は爪隠す

いくつかの特徴

1.それ単独で完結し意味を成している。
ですから「まさに『   』ですね。」という形で使用できます。
例:「半日やってまだ一度も成功しないなんて、まさに『二階から目薬』ですね。」

2.3文節以上のものが多い。つまり後述の慣用句よりは長い。
(2分節の場合、慣用句との区別があいまいなことが多い)

※文節=文章を自然な発音によって区切った場合の最小の単位。途中に『ネ』を入れて区切る「石の上にも三年」→「石のネ、上にもネ、三年ネ」=3文節

格言でもあり、ことわざでもあると考えられるもの

水清ければ魚棲まず

人間万事塞翁が馬

そしてことわざは、このあと解説する慣用句との境界線もあいまいです。つまり、ことわざは格言とも慣用句ともオーバーラップしているのです。

慣用句とは

辞書的には「二語以上の単語が固く結びつき、全く異なる意味を持つもの」となっており、注目すべきは「ことわざと混同されやすく分類も困難」と明記されていることです。

私的にまとめると「2文節以上で、直訳とは別の意味を持つもの」ですね。

典型的慣用句で説明すると、例えば「腕が立つ」なら、直訳しても本当に「腕」が「立つ」わけがなく、その意味は「技術が優れる」ですね。「首を長くする」なら、実際に首を伸ばすわけではなく、その意味は「期待して待ちわびる」ですよね。

いくつかの特徴

では、出来るだけことわざとの違いをはっきりさせるためにいくつかの特徴をまとめてみましょう。

1.2文節からなるものが多い。つまりことわざよりは短い傾向。
(3文節以上だとことわざとの区別があいまいな場合が多い)

2.常識・教訓・風刺として機能するものではなく、あくまで人や動物の行動、物事の状態などを的確に、または面白おかしく表現するもので、一種の比喩表現。

3.動詞、形容詞、形容動詞(つまり用言)で終わるものが多く、ひいては文中や会話の中で末尾を「活用」して使う場合が多い。

つまりことわざとは違って「まさに『   』ですね」という形で使うことは少ない。例えば、
「君はまさに『腕が立つ』ですね」とはあまり言わない。→「君は本当に腕が立つね」が正解。
「給料日をまさに『首を長くする』ですね」とは言わない。→「給料日が来るのを首を長くして待っています」が正解。

ことわざでもあり、慣用句でもあると考えられるもの

後の祭り

犬も食わない

鵜の目鷹の目

いかがでしょう?格言・ことわざ・慣用句の区別がかなりはっきりしたのではないでしょうか?こうなるとむしろ、互いにオーバーラップした「格言でもありことわざでもある」ものや「ことわざでもあり慣用句でもある」ものを探すのも楽しいかもしれません。
ここでは「格言と慣用句は重複しない」とさせていただいていますが、よく探せば「格言であり慣用句でもあるもの」もあるのかもしれません。ぜひ探してみてください!